外耳炎の原因 その2

外耳炎の原因で最も多いのが、体質的なものです。

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーのワンちゃんの半分以上が外耳炎を併発していたというデータがあります。

小さい時から外耳炎を繰り返している場合には、必ずアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの関与を疑わないといけません。

アトピー性皮膚炎や食物アレルギーの診断と治療については皮膚病の記事をご参照ください。

 

中年を過ぎてから外耳炎になった場合は、ホルモンバランスの乱れが原因かもしれません。

とくに甲状腺ホルモンは中年以降のワンちゃんの外耳炎の原因で多いので、血液検査で甲状腺ホルモンが十分あるかを調べます。足りない場合はホルモン補充療法を行います。

 

また耳に毛がある犬種(トイプードル・ミニチュアシュナウザー)、脂っぽい犬種(コッカースパニエル)、耳道の形が特殊な犬種(フレンチブルドッグ)、アトピー性皮膚炎になりやすい犬種(柴犬、ウェスティ)は耳のトラブルが多く、こじれやすい傾向にあるので注意が必要です。

 

一方、猫は犬に比べると外耳炎は珍しいです。

猫ではポリープや腫瘍が外耳炎の原因であることがありますので、必ず内視鏡(ビデオオトスコープ)で詳細な観察と採材が重要です。

【猫の耳道内ポリープを全身麻酔をかけてビデオオトスコープで摘出した動画】

 

2023年8月追記:これらの機器を用いて耳道内ポリープを摘出しています